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提婆達多(ダイバダッタ)は極悪人それとも善知識?仏様との関係にその功績を探ってみた!

コージリ
有り難うございます!
仏教マーケティング・アドバイザーのコージリです。

あなたは、ダイバダッタ(提婆達多)をご存知でしょうか?!

でも、ダイバダッタという言葉は、一度くらい聞いたことがあるかもしれませんね?

テレビ等の悪役として…(笑)。

そうです、実はダイバダッタは人の名前であって、仏教用語ではありません。

ダイバダッタは仏教史上、極悪人として有名な人物なのです…。

でも仏様はそんな提婆達多のことを、善知識として崇め奉っていたと言われています。

「それは何故か…?」

ダイバダッタのことを知れば、仏様がなぜダイバダッタを善知識として崇め奉っているのかがわかってきます。

それでは、ダイバダッタという人がどんな人だったのか…、仏教マーケティングで導かれる仏様にとってのダイバダッタの功績を探っていきましょう。

 

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提婆達多(ダイバダッタ)ってなに者?仏様(ブッダ)との関係は!

ダイバダッタは、仏様(ブッダ)のいとこでもあり、一時は弟子として帰依していた人でした。

しかし、仏様 がたくさんの人から尊敬される様が気にくわず、その生涯において何回も邪魔をし、何回も殺人を企てた人でもあります。

それではダイバダッタの経歴を簡単にご説明します。

ダイバダッタは、仏教で教えられる最大の極悪人として仏教界にその名を残している人です。

ダイバダッタは、今から約2600年前、インドの白飯王の長男として生まれ、やがては王位を継承するという立場でした。

しかも、非常にすぐれた逸材で、当時のインドでは仏様に次ぐ2番目の存在でした。

最終的には、その万年2番目というステイタスがネックになり、仏様の暗殺を企てるような仏教史上にその名をはせる、極悪人として有名になるのですが…。

ダイバダッタは、勉強も他の何もかも成績優秀でした。

しかし、同じ釈迦族として、小さい頃から仏様と共に勉強もスポーツも学び、ライバルとして競い合ってきたのですが、仏様にだけには、一回も勝てませんでした。

それが先々遺恨となって、数々の悲劇を展開していくことになります。

仏様が29歳で出家してしまうと、ダイバダッタは余裕で釈迦族の未来を担う期待の星となりました。

ところがその後ダイバダッタは、あっさりとその身分を捨てて仏様の弟子になります。

ここまでは殊勝な行動なのですが…。

ダイバダッタはそれから6年の間は仏様の弟子として仕え、様々な力を身につけていきました。

しかし、仏様が35歳で悟りを開くと、やはりその力は歴然となってしまい、足下にも及ばなくなってしまいます。

ダイバダッタも、一度は王子の座を捨てて出家した身ではありましたが、やはり「ゴータマ(仏様の名前)を超えたい」というライバル心は捨てられず、ブッダの座を奪おうと、そのチャンスを伺うようになっていきます。

その結果として、縁あって知り合った当時インド国の中でも有力と見られていた、マガダ国の王子と知り合い、そしてその王子をたぶらかせ、父である王を殺させ王子のインフルエンサーとして力を誇示していきます。

これが『涅槃経』や『観無量寿経』に説かれる仏教史上最大の悲劇「王舎城の悲劇」です。

こうして力を持ったダイバダッタは、同時進行で仏様を暗殺する企画を展開していきます。

仏様は霊鷲山(りょうじゅせん)というインドの山の頂上で『法華経』などの有名なたくさんの教えを説かれていきます。

ダイバダッタは仏様が霊鷲山の麓を通られた時に、その上から巨大な石を転落させ、仏様を殺そうとします。

しかし、幸い巨石は仏様にはあたらなかったものの、破片があたり、仏様の足からはたくさんの血が流れました。

結果として、ダイバダッタは「仏身より血を出す」という地獄に堕ちる大罪を作ったのです。

しかし、それが未遂に終わった後も、ダイバダッタは諦めようとしませんでした。

そして今度は、仏様が王舎城に入られたとき、酒を飲ませて狂った象を解き放ち、襲わせようと試みます。

ところが、仏様に向かって行った象は、仏様の神通力によって急に豹変してなついてしまい、この計画は失敗に終わりました。

このようにして、ダイバダッタは幾度となく、仏様に迫害を加え続けたといわれています。

 

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提婆達多(ダイバダッタ)が仏様(ブッダ)に与えた功績とは?!

仏様は経典の中で、すべての人は五逆罪(*1)、謗法罪(*2)の極悪人だと教えられています。

ダイバダッタのとった行為は、すべての人の姿であり、縁がありさえすればどんなことでもする煩悩の塊が現在の私たちなのだと説かれているのです。

そして、仏様は極悪人であるダイバダッタさえも「この人こそ善知識(*3)であり、いままでのダイバダッタの悪行があったればこそ、こうして今の自分が有るのだ」と心から随喜の思いを語ったといいます。

※随喜の詳細はこちらの記事で解説しています。

このことから言えるのは、仏様にとって極悪人であるダイバダッタさえも自分が悟りを得るための「善知識」であり、「反面教師」として貢献してくれたいという、随喜の対象者だということです。

自分を苦しめ、殺そうとまでした相手に感謝できるって、普通ではあり得ないですよね。

一般的に、仏教界でも極悪の極みとも言われているダイバダッタですが、仏様にとっては善知識としての功績があったといえそうです。

それにしても仏様…。

精進するお坊さん
恐るべしです!
注釈
(*1)五逆罪とは、五種の重罪のことで、一般的に
①父を殺すこと
②母を殺すこと
③阿羅漢 (聖者) を殺すこと
④仏の身体を傷つけて出血させること
⑤教団の和合一致を破壊し分裂させること、を言う。
 

(*2)謗法罪とは、仏教の正しい教えを軽んじる言動や物品の所持等の行為。 

(*3)善知識とは、「善友」「勝友」とも言って、正法を説き仏道に縁を結ばしめる人の事で、いわば仏道における「良い先生」「指導者」の事。

最後までお読みいただき、有り難うございました。

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